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南アフリカワインは次の期待の星!?

Credit : Wines of South Africa

Premium Independent Wineries of South Africa (PIWOSA) によるワイナリーと業界でのSpeed Dating Tastingが19日に始まり、次の日20日にはWines of South Africa (WOSA) 主催の業界と一般消費者に対しての試飲会が行われました。加えて明日22日は、ワインメーカーとのハッピーアワーが楽しめるというPIWOSAによる企画が有り、今週の香港は南アフリカワイン週間ですね。PIWOSAはアジアプロモーションツアーをシンガポールを手始めに、現在は香港、そして来週の初めは日本でプロモーション活動を行います。いや、当にアジアツアーですね。

簡単に言うとPIWOSAは南アフリカの西ケープに位置する独立したプレミアムワイナリー(殆どが家族経営)の組織です。香港のイベントでは19日に10在籍する生産者のうち9社が来港し、商品の頒布を行っていました。南アフリカワインのイメージって何でしょう?正直殆どがカジュアルで安く経済的な価格の商業ワインで、ワインのスタイルも肉厚でフルボディのものか、かなりしゃびっとして素朴なもののどちらかと言ったイメージが以前は有りました。当然職人的な高級路線の存在も認めますが、香港市場ではそのようなワインを見つけるのは難しかったです。

最近、ワイン仲間と南アフリカワインのテイスティングディナーをした所、目をみはるほどの品質の向上を始め、大量生産型のワインではなく特に高級ワインの販促には時期を期したと睨んでいたばかり。今回残念ながら全ての生産者の商品の試飲ができませんでしたが、試飲した全てのワインには、涼しい気候からできたワインのような特徴が見られました。言い換えて言うならばそれらのワインは冷涼気候の影響を受けているようだったのです。

しかし、西ケープ地方は地中海性気候で確実に冷涼気候ではないですから、ブドウはよく熟します。時々過熟になりがちでそれ故、赤ワインはもちろん肉厚でジャムっぽくなりあたかもアルコールと果実感のバランスが悪くなりがちですし、白に関しては酸度の不足によりかなり締まりのないワインが以前には存在していましたが、バランスの良いワインにするため今では補酸されます。PIWOSAの試飲した赤と白全てのワインは非常にバランスもよく、補酸なしでも中庸から高めの酸度が有りました。それこそ目隠し試飲をしたらブルゴーニュのワインと答えるのではというほど。どうしてなのでしょう?

西ケープ地方はたくさんの微気候があり、海からの涼しい風によってElgin, Walker bay、そしてCoastal地区はより涼しく、それがブドウの酸を保つことに一役買っています。一方、海岸より内陸にあるStellenboschはとても厚くて間伐の被害に遭いやすく、そんな時は灌漑が行われます。試飲したPIWOSAの生産者達はブドウを高品質に栽培することに力を入れており、より旧世界のワインのスタイルに近いものへ仕上げていること。例えば、ある造り手は酸度を保たせ、フィネスのあるワインに仕上げるため、望んでいるフェノール熟成のレベルに達したら直ちにぶどうの収穫をすると言及したし、他の生産者は完璧な辛口ワインを造るため、2015 年の収獲には5回選定収獲を行ったとこの事。

では樽処理はどうでしょう?新世界のかなり多くの地域は新樽を高い割合で使うので、旧世界のような控えめというよりよりボリューム感が有り肉厚なワインに仕上がっています。これは特に高級ラインのものに関して顕著に現れますね。しかし、全体的にPIWOSAのものは樽による過剰なマスキングもなくエレガントに仕上がっていました。南アフリカワインは新世界のカテゴリーに入るにも関わらず、高級ラインにおいても抑えられた樽処理が施されていました。

私の意見ですが、ワインのスタイルにおける南アフリカワインの位置づけは何となく新世界と旧世界の間で、マーケティングの視点においては素晴らしい品質にも関わらず、高級ワインを生み出す産地としての認識を得るのにまだ時間を要するでしょう。その為、現在の南アフリカワインの価格は非常に魅力的でコストパフォーマンスが高いといえますね。この期待の星は高級産地としての位置へ直ぐ駆け上がっていくでしょうね。