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Champagne 2002年ヴィンテージ


シャンパンの2002年ヴィンテージはどうでしょうか?
“シャンパンでは並外れた素晴らしいヴィンテージです。霜、雹、シーズン初め8月の段階では病気のせいで低収穫量でしたが、劇的に状況が良くなり収穫期には模範的な熟成、酸度に加え健康なブドウを得られた結果となりました”−ジャンシス・ロビンソンMW
“2002年のヴィンテージはシャンパンにとっては卓越した年で、ここ10年でほぼ最高と言ってもいいだろう。最も素晴らしい200n年のものは力強く、ガッチリとした骨格があり、しっかりとミネラルがあるものの、フレッシュ感がないわけでも優雅さがないわけでもない”−ザ・ワイン・アドヴォケート
はい、シャンパンにとって2002年というのは非常に素晴らしいことが分かったかと思います。

という事は、良いヴィンテージは生育と収穫期間に良い天気かつ良好なぶどうを意味することになりますね。では天気がどうだったか見てみましょう。雑誌デカンターによると、2002年は全体的に乾燥して温暖な年。8月初めにかなりの雨が降ったにも関わらず、後に十分な日射量に見舞われました。ところが、残念なことに下旬には幾つかの嵐に見舞われました。雨は続きましたが幸い9月の初めから収獲の、9月22、23日辺りまでお天気に恵まれたのです。通常収獲前若しくはその間に雨が降る事こそが生産者にとって最悪な状況となり素晴らしい年として考慮されませんが2002年は確実にブドウにとって素晴らしい状況と言えるました。

様々なシャンパンメゾンの2002年ヴィンテージを試飲する機会がありました。
こちらが試飲したリストです。

1) Delamotte 2002
=1st flight=
2) Bruno Paillard Blanc de Blanc 2002
3) Gosset Celebiris Extra Brut 2002
=2nd flight=
4) Jacques Selosse Blanc de Blanc Grand Cru Millesime 2002
5) Pommery Cuvee Louise 2002
=3rd flight=
6) Salon Le Mesnil 2002
7) Taittinger Comtesse Champagne Blanc de Blancs 2002

Ginsberg + Chanのオーナーがご好意でDelamotte 2002をおまけで開けてくれました。通常DelamotteはSalonの妹のような立場となっており、Salonが生産されない年にDelamotteになると理解されています。と言うのSalonはブドウできの良かった年しか生産されないため、100年間の間にたった37回しか生産してません。例えば、2003年のSalonは造られていないため、2003年収獲のブドウは全てDelamotteに使われています。では、2002年のような素晴らしい年というのはどうでしょう?2002年は先程も申したとおり非常に卓越した年でしたので、当然Salon並びにDelamotteも生産されています。とは言え、2002のDelamotteは生産数が限られておりたった60,000本のみとなっています。

では、Delamotteのノン・ヴィンテージとヴィンテージはどう違うのか?簡単に言えば違いはブドウの出所と通常ノン・ヴィンテージは3つの村− Le Mesnil-Sur-Ogers, Oger, Avize −にあるグラン・クリュ畑から1/3ずつブレンドしたもの。一方ヴィンテージは先程のノン・ヴィンテージのものにCramantを加えて、3:3:3:1の割合でブレンドしたもの。前者は少なくとも3年間、後者は最低7年の瓶熟成をしています。Salonに使うはずであった幾つかのキュヴェやブドウを使っていたとしても結局のところ、Delamotteは別物であり確立したブランドということです。と言っても妹としての位置付は変わらないのですが…論議を醸す内容です。

     ブドウ品種 澱抜き日  補糖
1 Delamotte Chardonnay 100% Oct, 2011  6g/L
2 Bruno Paillard Blanc de Blancs Chardonnay 100% 2013  5g/L
3 Gosset Celebris Extra Brut Chardonnay 52%
Pinot Noir 48%
Aug, 2013  5g/L
4 Jacques Selosse
Blanc de Blancs Grand Cru
Chardonnay 100% 23, Apr,2013  <4g/L
5 Pommery Cuvee Louise Chardonnay 60%
Pinot Noir 40%
13, Sep, 2013  5g /L
6 Salon Le Mesnil Chardonnay 100% Jun, 2014  7g/L
7 Taittinger Comtes de Champagne
Blanc de Blancs
Chardonnay 100% Mar, 2012

 9g/L

試飲した7つのシャンパンを比べてみると、同じヴィンテージなのにすごく違います。最初に、色からですが、中庸なレモン色から黄金色まで幅が広いです。一番濃い色だったのが#4 Jacque Selosseのもので、2番めが#2 Bruno Paillardでした。後の殆どはかなり似通っているものの、#1 Delamotteが一番薄い色でした。同じヴィンテージであっても何故色の違いが出るのか?幾つかの可能性があります。

1) 材料の出所−ブドウ
#2と#4両方ともブドウ栽培者のシャンパンであり、残りはネゴシアンシャンパンメゾンのもの。前者は理想的なブドウを求めて100%コントロールできる事、オーガニック農法やバイオダイナミック農法の適用を始め、収獲をギリギリまで待ったりリスクを取ることができます。後者も確かに同じようにできますが、栽培者たちに比べると同じとはいえません。そして、ぶどう畑の場所、どの畑からブドウが来たのかも含まれます。
2) 熟成テクニック
樽での熟成期間、異なった大きさ種類の樽、瓶熟成が明らかに其々の生産者によって異なります。通常、色がより濃ければ小さい樽での熟成をしていることが予想できます。
3) 澱抜きのタイミング
#2と#4では同じ年に澱抜きをしていますが、日にちは違います。なので、この2つのブランドは瓶毎に澱抜きをした日にちを記載しています。という事は両方共、一瓶一瓶微妙に違うものに出会うことになります。裏ラベルを調べ忘れたため、#2 の正式な澱抜き日が分かりかね残念。上の表の澱抜き日の欄から、一番古いものが#1 で一番近いものが#6。澱との接触が一番短いものは#1になります。澱抜きのタイミングは部分的に色に影響しているようです。
4) ブドウ品種
#3と#5はブレンドで、あとのものは単一品種、シャルドネで造られています。Blanc de Blancsは熟成すると通常ブレンドのものに比べて深い黄金色になりやすいです。この理論を私は否定をしませんが、#3 はブレンドで中庸な黄金色となるとブドウ品種が色に対しての決定的な要因ではないですね。 

4つの要因の内、1)材料の出所と2)熟成テクニックが強く影響しているように思います。かなり論争的ですし、同意しない方もいるでしょう。では香りと味わいに移っていきます。

基本的にすべてのものが10年以上の熟成を経ていることもあり、熟したストーンフルーツ、トースト、ブリオッシュ、ナッツの香りがあります。#4は非常に熟成した香りと味わい、干し肉やセイボリーなどの後味を感じます。今が飲み頃を感じます。#2は滑らかな口当たりに骨格もよく、あと5〜10年寝かせられるでしょう。#3はナッツ香、濃厚で肉付きの良い味わいですが、きっちり締りがある。#5は最もエレガントで控えめ。とても繊細なのに、更に5年以上熟成に耐えれるでしょう。#7はとても溌剌と味わい深くしまったワインで、10年以上寝かせられます。#6は#7に少し似ていますが、#7以上にきっちりしまったタイプ。しっかりした骨格から確実に10年以上の熟成の可能があります。最後に#1ですが、一番フレッシュで生き生きしたもの。今飲むのもいいけれどあと3年ほど熟成してからも楽しめます。

実際、幾つかはとても繊細なものもあれば、別のものはとてもかっちりとしている。この違いは何だろうか?色に関して材料の出所と熟成テクニックが強く影響しているだろうと前述しましたが、骨格に於いては3)澱抜きのタイミングと2)熟成テクニックが強い要因かと。上の表の澱抜き日の欄を見て下さい。最も長い澱との接触をしているものは#6で一方最も短いものは#1です。澱とともに瓶熟成が長ければ長いほど、通常論理的にはより複雑味がでます。でも#4は#3や#5より早く、#7や#4よりも遅く澱抜きしていますが、一番熟成しています。何故?恐らく第二次発酵前の樽での熟成期間と樽のサイズが理由でしょう。あーーーーー。澱抜き日が全てではないってことね。

最近は結構な数のシャンパン生産者がボトルに澱抜き日を記載していて、それは消費者にとってシャンパンがどれだけ熟成しているのかを判断するのに助かります。良い指針だと思うけれど、シャンパンの熟成度を判断する唯一ではないのよね。特に#4のようなもの−このテイスティングクラスを取りまとめてくれたロベルトも言っていたけれど、澱抜き日だけの理由でなくてヨーロッパからアジアに来る間の輸送や保存状態と言った他の要因も考えられると。確かに。

明らかに2002年のヴィンテージは素晴らしくて、まだこれから5~15年ほど置いておけます。勿論商品によるけれど。最近はzero dosageやextra dosageと言った低いドサージュが流行りで、今回試飲したものの全てがそのタイプ。低いドサージュにも関わらず、全てのシャンパンは素晴らしいバランスで、賞賛に値するには言うまでもなかったです。

Ginsberg+Chan
603, Loke Yew Building,
50-52 Queen’s Road Central, 
Hong Kong
2504-2221