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Swiss Wine とチーズフォンデュ

Swiss wine
去年は中々寒くならなかった香港。香港に限らず日本もそうなので世界的に暖冬だと言えそうですが、今年に入って突然の大寒波。亜熱帯気候香港は、暖房設備が乏しいのでそんなときはやっぱりお鍋が流行ります。日本だとおでんやお鍋、香港も火鍋など鍋料理は充実していますが、今回はヨーロッパの冬のお料理チーズフォンデュを食べることに。

このチーズフォンデュって元々は古くなったチーズを白ワインを入れて煮込んだ家庭料理で、スイス、フランス、イタリアのアルプス地方のまぁ郷土料理でもある。フォンデュはフランス語で溶けるという意味でfondue au fromageがフランス語での名称。つまりチーズフォンデュは英語とフランス語を掛け合わせた造語なんかい??でも英語もCheese Fondueだ。元は硬くなったパンを柔らかくしておいしく食べるための調理法で、山岳放牧の牧童たちがありあわせの保存食料を活用して考案したとも言われているようです。フィレンツェの郷土料理La Ribollita Toscanaの山岳版か?どちらにせよ昔はどの国も貧しくて、食べ物を最後まで美味しくいただくためのお料理なのでしょうね。

アツアツのチーズにパンや茹でた野菜などを絡めて食べるチーズフォンデュを食べようということで、辿り着いたのはスイス料理専門店。スイス料理専門店なんだからワインはスイスワインを注文。
今日のワインはこちら。
Domaine de la Pierre-Latine Yvorne Grand Cru 2011, Chablais, Vaud, Switzerland

まずスイスは寒いからワインはどうだか?でも、あったとしてもお土産ワインでしょ?と思ったあなた。いや一部、間違ってはいないけれど、高品質なものも実はあるのです。スイスワインは生産量も少ない上、国内消費が高いため輸出がまず少ない。(全体の約2%。少ない!!)そしてスイスフランの通貨の強さからも分かるように、人件費が高く付く分価格が高くなりがちです。となると輸出には不利な状況だったりするわけです。また生産量が少ない故輸入に頼っています。あれ?これどこかの国と似ているような気がすると思った方はワイン市場について勉強したことがあるか、業界にいる人ですね。

そうです。日本ですよ。ただしブドウを栽培する条件の良さに関しては圧倒的にスイスに軍配が上がります。2006年以前まではスイスでは輸入ワインを自国のワインと混ぜて販売することも許されていました。ここも日本と似ています。ヨーロッパに位置しながらなぜ厳しいEU法に引っ掛からなかったのは、スイスはEU加盟をしていないためでEUのワイン法を遵守する必要がなかったと言えます。が、スイスもフランスのAOC法のようなキチンとした法律もありますし、国際市場でやっていく上では禁止にせざるを得なかったと思います。ハイ、とても日本と状況が似ています。ただし、ワイン造りの歴史は深く、ブドウ栽培、ワイン醸造における厳しい規定はかなり前から制定されています。ワイン法に関しては、日本では条例に留まっているだけで制定されていません。酒税法はあっても酒造法の法律ができていないから、このままではやっぱりまずいよ日本、と心配していますがどうも法律の制定への動きがあるようなので一安心。

スイスのワイン産地は大きく西部のフランス語圏、東部のドイツ語圏、南部のイタリア語圏の3つの地域に分けられます。フランス語圏からの生産量が圧倒的に多く、今回飲んだワインもフランス語圏のVaud の物。Vaudはローザンヌを中心に左右にレマン湖を囲むようにある産地で、下の地図で言うと薄い緑色の地区にあたります。 湖の北側に産地が広がり、南向きであることと湖の光の反射を利用できる良い立地条件です。

                                                                                                                                Credit : Quentin Sadler
以下8つのAOCがあり、Lavaux地区の中に2つがGrand Crusがあります。
・La Cote
・Lavaux *Calamin
      *Dézaley
・Bonvillars
・Côtes de l’Orbe
・Vully
・Chablais

今回飲んだものはChablais地区のYvorneという村からのワインで、AOC表記されていることから、この生産地内のChasselasを最低90%以上使い、規定より糖度の高いブドウから造るなど幾つの生産条件を満たしたワインになります。Chasselasは生食のブドウでもあり秋になるとパリのマルシェでも食用として売られています。果物屋のマダム曰く食べるブドウの中で一番美味しいのだとか。確かに熟したChasselasは私も食べてみましたが、甘みも十分にあり美味しいのです。

ワインになるとフルーティーで花やミネラルの特徴があり、とても繊細ですがしっかりした造りのものは蜂蜜などのこっくりした香りが出てくると言われています。ブドウ自体はニュートラルな種類に分類されるため、育った土壌がワインに反映されます。

ChatlaisのYvorneの物は石灰質やマグネシウムをよく含んだ土壌で、ワインは男性的な骨格のあるワインに仕上がります。今回の造り手のワインも同じく骨格のがっしりしたワインでした。ラベルにAmphoreと書いてあるので恐らく、熟成をアンフォラでさせているのでは?と思いウェブサイトで調べてみたものの醸造も栽培も細かい情報が載っていなかったので、造り手に直接聞きたいところです。ただ”2つのChasselasはアンフォラで醸造しています”と文章が掲載されていたので、クエヴィで発酵も熟成もさせるグルジアワインのようにこちらもしているのかも?クエヴィで造ると力強さが出るのと同じで、アンフォラでも同じ結果が出るのだろうか?非常に興味深いです。

今回はChasselasを飲みましたが、この他にもPetite Arvineなどの素晴らしい品種がスイスには存在しています。このPetite Arvineで造ったワインもミネラル感あふれた美しいワインです。特に素晴らしい造り手のものは生産量も少ない上に人気な為に品薄であること。良いワインというのは直ぐに品薄になるのはどのエリアでも同じですね。熱々のチーズフォンデュにミネラル感のあるスイスの白はやっぱり素晴らしいマリアージュね。

The Swiss Chalet
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