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Victorian wine

salmon with greco
あけましておめでとうございます。早いもので2016年を迎え、あっという間に1月も中盤。早いものです。ネタは沢山あるものの記事にする時間が中々取れなかった2015年。今年はもっと記事をアップしていけたらいいなと思っています。どうぞ宜しくお願いします。

南半球、メルボルンは現在夏。非常に個人的な意見ですが、オーストラリアの都市の中でメルボルンは一番ヨーロッパに近い雰囲気を感じますね。どの都市もイギリスからの移民が一番多いのですが、メルボルンはスイスやフランスからの移民によりワイン醸造の歴史が始まったとも言われていますが、ギリシャやイタリアの移民が多いように見受けられます。尤もアジア圏からの移民もたくさん受け入れているので、中華街も比較的大きいですね。とは言え街全体はシドニー程大きくなく、こじんまりしているので動きやすいのも楽なのかも。

久しぶりに以前から気に入っているイタリアンレストランに行こうと思ったらクリスマス休暇でお休み。様々なグラスワインが楽しめるCity Wine Shopにて夕食をとることに。ここはグラスワインも充実しているのとお食事もなかなか美味しいのです。今日のオススメ、Pan-fried Salmon fillet with Fried potatoes and Caponataに合わせて
1, 2015 An ape is loose greco, Murray Darling, Victoriaと後から追加で
2, 2014 Punt Road Pinot Noir, Yarra Valley, Victoriaを合わせてみました。

ヴィクトリア州のワイン産地は大きくGippsland Zone, North-East Victoria Zone, Central Victoria Zone, Port Philip Zone, Western Victoria Zone, North-West Victoria Zoneの5つに分けられます。

ヴィクトリア州ワイン地図 
                                                                                                                image credit : wine-jiten.com
 
                                                                                                image credit : RedWine TourGuide.com
1のMurray DarlingはNorth-West Victoria Zoneにあり、ヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州2つの境界線にある広い産地。平地で灌漑にて農作物が栽培されていた地域であり、ブランデーやバルクワインが造られている謂わば、過去においては大量生産地でした。最近になってブティックワイナリーも増え始め(30程のブティックワイナリーがある)、量より質を求め始めたようです。とは言え量を必要とする大手メーカーが今もこの地域からの生産量に頼っています。

今回の白は大手メーカーDe Bortoliの白ワイン醸造担当でもあるAndrew BrethertonがDe Bortoliとは個別に造ったもので、ブドウ品種もinternational grape varietyではなくGrecoと言うギリシャ生まれの南イタリアで広く栽培されているもの。イタリア系ブドウ品種はヴィクトリアでも見かけることがありますが、輸出するには量が少ないためか、または国際的に幅広く認知されているinternational grape varietyに比重を置いているためか、オーストラリア国外では滅多に見ません。

初めは灌漑地域からのブドウだし正直期待値0でしたが、飲んでみるとりんごやストーンフルーツのフルーツ香溢れるデリケートなワイン。グラスで頼んでいるため、正直いつ開けたわかりませんが開栓してから時間が経っているように見受けました。というのもボディも軽めで余韻もグレコにしては短い。もしかしたらそのような造り方なのかもしれませんが・・・日射量は南イタリアと同じく長く暑く、湿度も低いですが、雨が降らないため灌漑なしではブドウが育たないのと、土壌に於いてはイタリアのグレコは火山土壌で育ちますが、こちらは石灰質土壌に様々なローム層が組み合わさっているのでそれも理由にもなるかもしれません。グラスワインは少量で色々と楽しめるのですが、いつ開栓したのか分からないのが正直玉に傷です…

2つ目はPort Philip Zoneにある銘醸地Yarra ValleyのPinot Noir。1のMurray Darlingは暖かい場所に比べ、Yarra Valleyは涼しい産地。同じヴィクトリア州内でも気候が全く違います。気候が違えば適応するブドウ品種も変わってくるわけで、Yarra Valleyはシャルドネとピノ・ノワールの産地。ここは寒暖の差がしっかりあり雨が多く、土壌も多様で灰色の砂質や粘土ロームから赤い火山質土壌まであります。Yarra Valleyのワインはクラシックなスタイル、とは言えニュイよりボーヌに近い感じです。柔らかいのだけれどジューシーでフルーツ香をしっかり感じるものが多く、土っぽさはセントラルオタゴの方が強いように感じます。

ピノは土壌と気候、どれだけブドウが手入れされたかで最終的に出来上がるワインが決まると言って過言ではないですね。カベルネのように技術でカバーはかなり厳しいかな。と言うとカベルネがいかに楽かと感じるかもしれませんが、カベルネはカベルネなりにその良さを引き出すにはピノとは別の方法をとるということです。どちらが良いとか悪いとかいう話ではく、素晴らしいワインになるにあたってのアプローチの仕方が違う、対照的なブドウということです。

Punt Roadのピノはジューシーでありかつ土ぽさも出ており、適度な酸味とタンニンのバランスが取れたワイン。黒系赤系フルーツやなめし皮、芳香高めで、ニュイに出てくる動物香がないです。土壌を調べたら粘土の上に砂質のローム層。ピノのボディは中庸と言われていますが、土壌が軽めだとワインもそのようになるので、砂質の影響がワインにも反映されているのかと推測。フランス産のオーク樽での熟成ではあるものの、新樽の率は20%でワインを邪魔しないようにしています。新樽率が高ければいいってものでもありませんからね。

肝心の鮭との組み合わせですが、2つとも悪くない。でも正直Best of Bestではないのです。鮭は青魚なので難しい食材だと前々から思っていましたが、やっぱり難しい。スモークサーモンだとシャンパンなどスパークリングワインと合わせやすいのですが、生鮭を調理したものは産地や脂の乗り具合、調理法、そして合わせるソースや味付けで変わるので選ぶワインが非常に難しいです。いつか鮭については詳しく記事にしたいと思います。

ソーテルヌと杏のブラマンジェを食べた時のような衝撃的なマリアージュをサーモンでも体験したいけれど、
未だそれに出会っていない。いつか出会えるのであろうか。いや研究は未だ続く…

City Wine Shop
159 Spring Street, Melbourne,
Victoria, 3000 Australia
(61)-3-9654-6657