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ブラインドテイスティング〜イタリア土着ブドウ品種〜

Blind tasting Italy
イタリアは全20州にてワイン生産が行われており、古代品種や国際主要品種など合わせて2000以上のブドウ品種が存在しています。香港に入ってきているイタリアワインはここ3,4年で大きく増えました。ちょっと前までフランスワイン(特にボルドー)偏重傾向があったにもかかわらず、今ではボルドーからブルゴーニュに目が向けられている状態で、20年前の日本と同じような傾向を辿っています。イタリアワインもそれこそちょっと前から香港でやっと日の目を浴びるようになりました。タイミングもありますが、当然イタリア貿易振興会やイタリア政府の後ろ盾が大きいのもあり大きく勝負に出てこれたのだと思います。

イタリアは元々小さな公国が集まってできた国で、それこそ食べ物や飲み物、文化がそれぞれ違います。イタリア共和国になってそれこそ150年ほどしか経っていません。それ故、地元意識が強くイタリア人としてよりもローマ人やナポリ人としての意識が高いです。それとワインがどうつながるの?と思うかもしれませんが、ワインの世界にもその精神が引き継がれています。同じブドウ品種なのに場所が違えば名前も変わるということが普通に起こるのです。

サンジョヴェーゼが良い例です。例えばピノ・ノワールにも同じようにクローンが正式に43種認められており、其々に番号が付いています。その番号は生産者が分かるだけで、後の方々は教えてもらわないと分かりません。ラベルにPinot Noir 460 なんて出ないでしょう?ではサンジョヴェーゼの場合どうなるかというと、ブルネロ村での生産ではブルネロ、モンテプルチアーノ村ではプルニョロ・ジェンティーレとクローンレベルで名前が変わる。生産者以外もこの情報はワインを多少勉強した人であれば知っている基礎知識と認識されているので、当然ワイン業界に携わる人は知っていることです。ピノ・ノワールにおいてのクローンレベルとは違う次元なんですね。

イタリア原産のブドウ品種はその辺りが、ややこしいところで、公国として独自の文化を長い間培ってきたこともあり、お互いが妥協しないため共通でこうしましょうと簡単にならないのがイタリア。その辺り、フランスとは同じラテンでありながら違うわけです。ある意味自由で多様性があるのは間違いありません。ワインにもよく現れています。

さて今回の業界関係者の定例試飲会のお題が”イタリア原産ブドウ”。赤・白を決めずにいたら、今回は全員赤でした(笑)リストはこちら。

1, Perillo Taurasi Reserva 2003
2, Arnaldo Caprai Collepiano Sagrantino di Montefalco 2006
3, Le Chiuse Brunello di Montarcino 2006
4 Pecchenino San Giuseppe Barolo 2010 
5, Cocito Barbaresco Baluchin Reserva 2006

アリアニコ、サグランティーノ、ブルネッロ、ネッビオーロと南から北まで揃いました。ネッビオーロは2つでしたが、産地は被ってない。以外と被らないものね。3,5,2,1,4の順番で1つづつブラインドテイスティングをした後、それぞれ討論です。

3のブルネロ。セラーから出したばかりで温度が低い。温度が低すぎると香りが上がらないのと、酸味が際立つ。色調も薄めでミネラルを感じ、酸味もタンニンもしっかりとあったため、誰もサンジョヴェーゼと見抜けず、恐らくこの温度のトリックにまんまと引っかかった私たち。ブルネロと知った瞬間全員大撃沈。いや、漫画のようだった(汗)後に温度が上がってきたら、香りが広がりサンジョヴェーゼとやっと認識できた。赤系果実の香りと共にスミレなどの花の香り、タンニンも柔らかく馴染んでおり2006年のトスカーナの良さでています。

5のバルバレスコは素晴らしかった!!ラベルには造り手Cocitoと書かれていますが、実はLa Spinettaと共同で造っているもの。元々Ezio Cocitoとラ・スピネッタのGiorgio Rivettiは長年の友人で、2000年にEzioがBaluchinに単一畑を買ったもののワイン醸造の経験のない彼はブドウ畑管理とワイン醸造の経験のあるGiorgioに助けを求めます。そこでGiorgioによるコンサルタントの元、ラ・スピネッタの醸造所でCocitoは作られています。言わば、共同合作。ワインを造ってもらう代わりに、EzioはGiorgioの馬の面倒をみているそうです。中々面白い逸話です。ワインはというと、エレガントで余韻がとても長い。サワーチェリーの赤系果実やオーク、しっかりと凝縮感もあります。モダンスタイルで造られており、まだまだ熟成できます。

2のサグランティーノはタバコやシダ、黒系果実の香りと共にオリエンタルスパイスの香り、兎に角タンニンがとても強くワインがとてもパワフル。約10年近く経っているのに、サグランティーノはやっぱり強いタンニンのある品種と認識します。熟成年数がまだ後10年はいけるけれど、2006年という良いヴィンテージとカプライという優秀な造り手というのもあるから10年後にまた飲んでみたい。

1のタウラジはブショネだったため、香りだけの確認。何だろう、イタリアワインは搬送の方法が悪いのか若しくは醸造に問題があるのかはたまたブドウ品種がそうなりやすいのか…私がたまたまかもしれませんが、他の産地に比べて高い確率で欠陥ワインにあたってました。還元臭やブレットは程度の問題なので、グレー部分でもあるのですが、このタウラジはがっつり全員満場一致のブショネ。

4のバローロはフローラル、サワーチェリーといった当に教科書とうりのネッビオーロの特徴が出てきました。ミネラルを十分に感じモダンスタイルで造られており、バランスはいいもののバローロの深みが出ていなくて少々残念。ブラインドだとネッビオーロと分かったものの、ピュアなスタイルがDOCランゲという意見もあり、エントリー・レベルの飲みやすいバローロでした。前のバルバレスコの質が良かったのものあり、ちょっとしぼんだというのも否めない。

今回は白がないので、前菜にハムやサラミの盛り合わせ、ビーツのサラダ、メインにがっつりステーキ1kg を持ち込んだワインと堪能したのでした。5人(男性2と女性3)でメインがやっぱり十分でなかったから追加もして、食べて飲んで話して(イタリア人?)、とても楽しい夜だったなぁ。こちらのレストランはリカー・ライセンスを持っていないため未だにお酒類を置いていません。今後このままライセンスなしとの話もあれば、ライセンスを取るとの話もあり、将来的にどうなるかはわかりませんが、もしワインを飲みたいようであれば、今のところはお店にはありませんので自分で持って行ってくださいね。因みにライセンスがないのでお店スタッフはお酒を注ぐことができませんから、自分たちで注いで下さいね。

Shelter Lounge
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