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Chablis

Servin
シャブリはワインをあまり知らない人の間でも知られたワインの1つで、多分シャキッとすっきりした味わいが特に日本人の好みなのでしょうね。シャブリも北部と言えどブルゴーニュの一部でありながら、ブルゴーニュの南部で栽培される白ブドウ栽培品種が同じシャルドネにもかかわらず、ワインに特徴が出るのはシャブリ独特の土壌と気候によります。

シャルドネは基本的に暑いところでも寒いところでも問題なく育つ品種ですが、春の霜害の影響も大きく、花ぶるいや結実不良を起こしやすく、また皮が薄いため腐敗や雹の損害もを受けやすいです。おデリケートね。早熟で早めの収穫が可能なのですが、完熟したらすぐに酸が急激に落ちるため収穫を遅らせないようにしないといけません。土壌を選ばずどこでも育ちますが、石灰岩、チョーク、粘土で育ったシャルドネはワインに素晴らしい味わいをもたらします。暖かい所で育ったシャルドネはメロンや南国果実のような香りと共に   ボリューム感もありますが、逆に涼しい所の物は柑橘類や鋼のような引きしまったワインに仕上がります。気候と土壌の違いがワインに反映される、つまりテロワールを映し出す品種と言えます。

シャブリはシャルドネの銘醸地の1つでもあり、コート・ドールより涼しく、冬は長く厳しい半大陸性気候です。春でも気温が低いことが多々あり、散水やsmudge pot(燻し器)を利用して霜害を防いでいます。土壌は泥灰岩の上にキメリジャン石灰岩土壌(ジュラ紀に粘土、石灰岩、風化した牡蠣の殻で構成)又はポーランディアン石灰岩土壌で成り立っています。

特級・1級、AOCシャブリの畑はキメリジャン石灰岩土壌のもので、プティ・シャブリを含むそれ以外はポーランディアン石灰岩土壌からと言われていますが、近年畑の増加によりAOCシャブリもポーランディアン石灰岩土壌に当たる場所からも認められています。当然今でも物議を醸し出していますね。と言うのもポーランディアンのものはキメリジャンよりフィネスがないので、それは一緒にしたらどうかな?と疑問を持つわけです。でも土壌はビチっとここからここまでときっちり分けられないから、間にある畑は結局どっち?ってなるわよね。そこをINAOの判断でプティ・シャブリでなくシャブリに認定したというわけです。

シャブリの位置から、一番良い畑というのはセラン川流れる谷の南西向きの傾斜で、特級7つの畑がある所になります。7つに分けられた理由はそれぞれに特徴があるからで、Les Closは最も知名度が高く力強く、複雑でミネラルを感じ、Les Preusesは一番日当たりが良いのもあってか、一番フルボディで円熟。石っぽさが最も少ない。Blanchotは最も繊細で花の香りが特徴的、そしてGrrenouilleはアロマティックでエレガント。フィネスのあるVaudesir、芳香高くリッチなValmurと生き生きしたフルーツ香が特徴のBourgrosとそれぞれ畑の違がワインでています。

1級畑は特級畑をを中心に円を描くように広がっていますが、セラン川北側つまり右岸、特級畑の北西に当たるFourchaumeや東に当たるMontee de Tounnerre、Mont de Milieuは日当たりが良さがブドウの成熟度に繋がるようで、ボーリューム感のある特級に近い作りになるのに対し、左岸のMontmainsやVaillonsはミネラル感がしっかりあるエレガントなスタイルになります。

基本的には1級やAOCレベルのものはオークの香りを付けないようにワインを造っていますが、醸造過程において幾つかの特級は新樽を使うこともあります。勿論他の産地に比べてその使用率は明らかに少ないです。当然造り手により、一切樽を使わないところもあれば、一部古樽を使うところもあり、同じシャブリでもスタイルがかなり変わるのがシャブリの面白いところであり、また逆に選ぶのが難しいところでもあります。

今回ワイン業者の試飲会でDomaine Servinを見つけました。クラス違い畑違いの試飲はとても貴重なので嬉しい。セルヴァンは1654年から7世代にわたって家族経営にてブドウ栽培とワイン造りを行なっている歴史ある造り手です。今回の試飲ワインは以下の通り。

Chablis AOC 2013
Chablis AOC Vieilles Vignes Massale 2011
Chablis Premier Cru “Vaucoupin” 2013
Chablis Premier Cru “Montee de Tonnerre” 2013
Chablis Premier Cru “Mont de Milieu” 2012
Chablis Premier Cru “Les Forets” 2011
Chablis Grand Cru “Blanchots” 2011
Chablis Grand Cru “Les Preuses” 2012
Chablis Grand Cru “Bougros” 2012
Chablis Grand Cru “Les Clos” 2012

  平均収穫量 平均樹齢 収穫 発酵 熟成
AOC Chablis 30hl/ha 36年 手摘みと機械摘み ステンレスタンク  ステンレスタンク
AOC Chablis 
Vieilles Vignes
35hl/ha 50年 手摘みのみ 50%ステンレスタンク
50%オーク小樽
 
1er Cru
Vaucoupin
57hl/ha 47年 手摘みと機械摘み ステンレスタンク  ステンレスタンク
1er Cru
Montee de Tonnerre
26hl/ha 43年 手摘みと機械摘み ステンレスタンク ステンレスタンク 
1er Cru
Mont de Milieu
57hl/ha 40年 手摘みと機械摘み ステンレスタンク ステンレスタンク 
1er Cru
Les Forets
57hl/ha 16年 手摘みと機械摘み ステンレスタンク  ステンレスタンク
Grand Cru
Blanchots
52hl/ha 40年 手摘みのみ ステンレスタンク  ステンレスタンク
Grand Cru
Les Preuses
50hl/ha 57年 手摘みのみ ステンレスタンク 40%:オーク小樽
20ヶ月 
Grand Cru
Bougros
52hl/ha 33年 手摘みのみ オーク大樽  オーク大樽
3~9年
Grand Cru
Les Clos
51hl/ha 39年 手摘みのみ オーク大樽 オーク大樽
3~9年 

 表を見る限り、意外とAOCレベルの収穫量が特級・1級と比べるとかなり少ないことに気付きます。Montee de Tonnerreを除き他の1級、特級の収穫量はAOCの約2倍弱。ここから言えることは、品質の高いブドウを得るにあたって、シャルドネに関しては徹底的な収穫量制限の必要はないということになります。これがピノ・ノワールと大きく違うところです。なぜMontee de Tonnerreだけがここまで低収穫量なのかを聞きたいところです。

セルヴァンのスタイルとして、1級は樽を効かせずにマロラクティック発酵をさせてもクリーンなスタイルに仕上げています。1級の中ではLes ForetsとMont de Milieuがフルボディで、Les Foretsは繊細で優美。対してMont de Milieuは花やミネラルを感じるリッチな仕上がりでした。特級クラスのものは樽での発酵や熟成が通常ですが、ここのBlanchotsだけは繊細さを出すために故意にステンレスタンクでの発酵と熟成を行なっておりデリケートな仕上がりになっていました。後の特級のものは樽の香りも強すぎずかつ熟成に耐えうるスタイルになっており、今回は若いヴィンテージでしたがそれこそ10年近く経ったものをためしてみたいものです。

特級のシャブリは5年ほど寝かせてからその良さが出てくるので、やっぱり我慢勝負?でもモンラッシェやムルソーに比べたら、もう少し早くから楽しめるのと価格的にもお財布に優しいのは有難いわ。

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