KaorixWines.com

街市での夕食

Hung Hom Wet Market
食の街、香港。それこそミシュラン星付きのレストランからその辺のB級グルメまでそれはそれは食いしん坊バンザイな街であります。当たり前といえば当たり前ですが、ワインを飲もうと思ったら、それなりのレストランで注文するか、持ち込みをするかです。香港は場所柄土地代が非常に高いので当然お店のお家賃も高く、家賃の値上がりを理由に移転は当たり前だし、それこそ店を畳むのも早い。せっかく儲けたのにお家賃での割合が高すぎたら商売成り立たないから、分からないことはないです。

最近は色々なレストランでワインを置くようになったものの、店の大きさや提供価格帯によってたくさんの種類を置けない店も多いです。そのためかかなりのレストランがワインの持ち込みを有料で許可してくれますが、値段はそれこそピンからキリまで。勿論飲料代はレストランの収入につながるので、お店によっては幾ら以上のものを1本注文で持ち込み1本無料にしますとか色々な形態を取っています。至極当然といえば当然。

無料なお店もありますがほとんどはセットメニューになったプライベートキッチンか、アルコールを提供できる許可を取っていない若しくはまだ許可が下りていないところ。あとはとーってもカジュアルなワイングラスさえも置いていない店。今回は地元市場の中に入っている海鮮中華料理店での会食。香港の市場は建物の中にあり、大体1階2階が食材が売られています。その食材の売られている階より上に、いくつかレストランが入っていて、またこのレストランが安くて美味しい。新鮮な食材を下の市場で買ってきてそれを調理しているからね。あ、レストランといっていますが、これは屋台みたいなものです。美しさは期待しないように。清潔感が気になる人にとっては厳しいので速やかに退散をお勧めします。

とーってもカジュアルなお店なので、当然ワインは置いてないしグラスは水のみグラスだ!つまりコップ酒。ワンカップ大関のワイン版な気分です。ワインもどれだけ持ってこようが持ち込み料は取りませんが、なにせグラスがタンブラーなので、ワインもカジュアルで十分。友達はローヌの白を私はヴァルポリチェッラを持ち込んだのでした。

Jean-Luc Colombo Les Abeilles de Colombo Cote du Rhone 2014  France
Valentina Cubi Valpolicella DOC-Iperio Bio 2012 Italy 

コート・デュ・ローヌの白は通常主要品種(ブール・ブーラン、クレレット、グルナッシュ・ブラン、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエ)から合計で80%以上と補助品種(ユニ・ブラン、ピクプール・ブラン)を合わせて使って造って良いことになっています。ジャン・リュック・コロンボのこのワインは、ブドウは手摘みでクレレット80%とルーサンヌ20%での構成。低温発酵で造られています。クレレットは酸が低くアルコール度数も上がりやすく酸化しやすいので、ラングドックなどではヴァン・ド・リキュール・ランシオとして扱われます。ルーサンヌは低収穫量ではありますが、逆に酸が高く、ハーブなど香り豊か。バランスが綺麗に取れるように配合するわけです。その配合が難しいわけですが。また発酵温度が上がると、香りが飛びやすいのと酸化しやすいのもあるし、ブドウ品種の特性から低温発酵は頷けます。

”アベイユ”とは蜜蜂の意味で、ワインラベルにも蜜蜂が描かれています。昔コルナスにあるブドウ畑の丘の上に多くのミツバチの巣箱が置かれていたことから、 この名前がついたそう。「カジュアルなものを選んできた」とは言え、彼女の目利きはなかなか。やるな〜。

ヴァルポリチェッラはイタリアのボージョレと言われており、フレッシュでフルーティー。造り方は全然違いますが、ヴァルポリチェッラはコールヴィーナを主に、ロンンディネッラ、モリナーラそしてその他土着品種が幾つかが入るブレンドワイン。コルヴィーナは主軸となる品種で色が薄く、タンニンも低めですが、サワーチェリーの香りや酸味が強いのが特徴。このブドウ品種から(だけじゃないけれど)レチョートやアマローネもできるから、実は隅に置けない。補助品種でもあるロンディネッラはコルヴィーナに比べて優雅さに欠けるものの色が濃く芳香が強い、一方モリナーラは色も薄くボディも軽く唯一酸味が強い。さしずめ、コルヴィーナにモリナーラの酸とロンディネッラの色と芳香を加えることにより、バランスを取るのでしょう。

ヴァレンティナ・クビはコルヴィーナ75%、ロンディネッラ25%でモリナーラはなし。オーガニックで育てた手摘みのブドウをステンレスタンクで自然酵母によって発酵させ、温度管理も亜硫酸の添加もなし。ヴェネトは場所柄涼しいのもあり、恐らくセラーの温度が上がらないから可能と思われます。

コート・デュ・ローヌ・ブランもヴァルポリチェッラも、重すぎず軽すぎず、海鮮中華料理との相性も良かったです。海鮮以外にももちろん肉料理も出てきましたが、鶏肉や豚肉だったのもあり喧嘩せず。中華料理はソースが色々とあり食材も豊富で本当に幅の広い料理だと思います。グラスがコップだから香りがあんまり取れなかったのは残念。せめて口が少しすぼまったグラスだと良かったなと思ったので、次回はISOグラスでも持って行こうかな。これなら小さいし、運びやすいし、たとえ割れたとしても惜しくない価格だもんね。ワインは置いてないけれどビールはあるし、ビールと中華も美味しいわよね。もしワインを忘れても大丈夫。

文記海鮮飯店
2/F,Hung Hom Municipal Service Building,
11 Ma Tau Wai Road, Hung Hom, Kowloon,
Hong Kong
2362-2960