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ChapoutierとGuigal

Rhone Valley

Inter-Rhone主催のローヌワインの試飲会がラン・カイ・フォンのカリフォルニアタワーで行われました。ワインは既に香港のワイン業者によって卸されているいるもので、どれ位の品質のものが香港市場に出回っているのを知るのには良いチャンス。コート・ロティやシャトー・ヌフなど、やはり分かりやすいものが多いですが、以前に比べてヴァケラスやらヴァンソーブルなど幅広く取り扱うようになってきているように思います。今回はローヌワイン販促のためにの短編ビデオのコンテストも兼ねてのイベントもあり、当然高級ラインはありません。

ローヌのワインは赤も白もアルコール度数が高めなので試飲疲れしやすい。おおおーと感動するようなワインには出会えませんでしたが、やっぱりねーと納得したのはMasion ChapoutierとE.Guigal。世界中何処でも見つける事ができるこの2つのメゾンはドメーヌ兼ネゴシアンでもありますが色々な意味で対照的でもあります。 では早速比べてみましょう。(シャプティエはC、ギガルはGで説明していきます。)

1, メゾンの歴史 
C : 
1808年にタン・エルミタージュを拠点にポリドール・シャプティエにより創業。創業して200年以上歴史を持つ古いメゾンで、1990年に7代目ミシェル・シャプティエが当主となり、現在も指揮を取っています。所謂老舗ですが、ミシェルが継承する頃は経営は火の車だったそう。ミシェルは自分の求めるワインと6代目の父マックスそして兄が目指すワインとに大きな隔たりを感じ、メゾンを去る事を祖父(5代目当主のマルク)に申し出たのですが、祖父からメゾンを去る事の許可は出ずはそれならば6代目でもある父を飛び越してメゾンをミシェルに直接継承させると提案してきました。考えた末、メゾンを祖父から買い取り、方針の合わない父と兄を解雇するに至りました。ひ〜、お家騒動があったわけです。何か大きな事を成し遂げるには痛みが出るものですね。(こういう決断は辛いものです)
G : 1946年コート・ロティのアンピュイを拠点にエティエンヌ・ギガルにより創業。最初はネゴシアン業のみでしたが、61年に2代目マルセルが当主になり、80年代には初代エティエンヌが奉公していたヴィダル・フルーリィを傘下に収めます。これにより、ヴィダル・フルーリィが所有であった”ラ・テュルク”の畑も手に入れ、その後”シャトー・ダンピュイ”を始めジャン・ルイ・グリッパそしてド・ヴァルーイのドメーヌを吸収しました。現在は3代目フィリップ・ギガルが当主であり、創業して僅か60年ですがその勢いは中々です。

2, 自社畑
C :
ローヌに170~200ha、その他にルーシヨン120ha、アルザス7ha、ポルトガル4ha、オーストラリア100haとローヌだけでもかなり持っています。更に新しい場所を探しているとのこと。
G : ローヌに60ha程。シャプティエと比べると規模が全然違います。

3, 単一畑のドメーヌワインの特徴
C :
ビオディナミ(バイオダイナミック)での栽培と醸造。コンクリート製の卵形の発酵タンクを依頼して試作してみたり(この件でノンブロー社と秘密保持でもめた)技術革新も行っているものの、良質なブドウを作る事に比重をおいています。酵母も自生酵母を利用し、醸造以上にビオディナミでの畑の管理、栽培により力を注いでいます。テロワールの個性をワインに映し出す事をモットーとしているおり、細かく分けられた単一畑の商品が多いのが特徴。例えばエルミタージュには赤白4つづつの8つの単一畑シリーズがあり、他の村のものをあわせたら赤と白両方で21種類。単一畑シリーズだけでもどれだけの回数醸造しているでしょうか?   またオークの新樽の使用率や熟成期間も其々のブドウ、区画に合わせて調整してそれぞれのワインを造っています。資金がないとできない…
G : シャプティエが栽培に重きを置いている一方で、ギガルは熟成に拘りがあります。サンジョセフの     ”リュー・ディー”を除き、単一畑又はそれに準じた高級ラインののワインは新樽100%で長期熟成させています。大体30~42ヶ月の熟成。そのため樽の質などに拘り自社樽工房がシャトー・ダンピュイに設置されています。毎年800 樽必要だそうで、そりゃ外注するより自分のところで賄ったほうがいいですね。単一畑のシリーズの数はシャプティエよりも少ないものの、潤沢な資金が必要なのは見ての通り。

シャプティエもギガルもトップラインのワインに於いてパーカーポイント100点を何度も取った事もありますが、カジュアルライン(ギガルのコレクションシリーズとシャプティエのクラッシックシリーズ)であっても質が安定している事が共通しています。ミシェル・シャプティエもある会談で『高いワイン、パーカーポイント100点を取るのは難し事ではなく、採算を考えず厳しく質を上げる。それで十分ですが、採算を考えて5 ユーロで売るワインを大変美味しく作る事は容易ではない』と言っています。シャンパンのNVをなおざりにしてはいけないのと同様、両社カジュアルラインを妥協せずの精神はマーケティングの観点からも非常に正しい選択です。今のところギガルはローヌ以外の地でのワイン生産は考えていないようですが、シャプティエは積極的に取り組んでいくようです。両社今後の展開が楽しみですね。