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Chateau Kirwan

Chateau Kiran 2008
ボルドーの中でも一番華やかなマルゴー村。メドック地区の中で花の香り(特にバラ)が一番出てくるから、マルゴー村のものは一番女性的とも言われています。メドックの格付け3級に格付けしているキルヴァンですが、このメドックの格付け、1855年のパリの万国博覧会に向けてナポレオン3世の指示により、ボルドー市の商工会議所がメドック地区のワインのワインの格付けを作成。1級を頂点に5級までワインがランク付けされており、当時のシャトーの評判(つまり名声ね)や市場取引価格によりそれぞれの位置付けが決められたわけです。2級にいたムートンが1973年に1級に格上げされるのを除き(これは政治的背景も関与していたと言われている)、その他一切の格下げ格上げは起こっていません。

1855年ですから、それこそ150年以上前の事だし、当然その間消えそうになったシャトーもあれば、逆に盛り返したシャトーもあり実質下克上は起こっているわけです。当時からの利権を得た上の格付けのシャトーはその位置付けが揺るがないように頑張るのですが、現在一番格下5級のランシュ・バージュやポンテ・カネなぞは実際ワインの質から格付けした場合5級ではなくもっと上にいてもおかしくないシャトーです。当然時代は流れているのにそのままの格付けに対しての疑問がやっぱり上がってくるわけで、そこからサンテミリオンの格上げ格下げありの見直し付き格付けができたのですが、こちらはこちらでもめにもめていますね。

キルヴァンは1147年に遡るほど古い歴史のあるシャトーで、アイルランド人マーク・キルヴァンがイギリス仲買人ジョン・コーリングウッド卿の娘との婚姻により1710年にぶどう園を継承。ワイン愛好家で有名なアメリカの駐フランス大使でもあったトーマス・ジェファーソン(この人の話はまたいつか)の旅行記にも登場しています。フランス革命により土地が没収され、その後取り戻すものの経済的困難によりシャトーはキルヴァン家から売りに出され、最終的には現在の所有者シーラー家が買い取り、1970年代以降に大型の設備投資を行う事により再建を図りました。

90年代初めににミシェル・ロランをコンサルタントとして雇い、95年までは評価があまり高くないのですが、それ以降の評価はかなり上がっています。でた、ミシェル・ロラン。傾きかけたシャトーの救世主と言っても過言じゃないほど、彼がコンサルタントをした後のシャトーはきちんと再建が成功している。ある意味非常にすごい人です。と言っても2007 年からのヴィンテージはミシェル・ロランの代わりにフィリップ・デルフォーが新らしいコンサルタントとして加わったわけですが。

今回夕食とともに飲んだものは2008年のもの。2008年の特徴としては雹や病気に見舞われたものの、夏から収穫期にかけて天候が恵まれたためブドウがゆっくりと熟す事ができたのと、世界的に金融不況のあおりお受け高騰していた値段が大きく下がって価格的にも手に入れやすくなったことね。消費者としては価格が下がるのはありがたいわ〜。実際のお味はマルゴー独特のバラの香りに黒すぐりや甘いスパイスの香り、そしてまあるいタンニンで、どっしりしているもののとてもバランス良くエレガント。今も美味しく飲めるけれど、もっと寝かせたら違った味わいが楽しめるワインですね。ブルーに仕上げてもらったハンガーステーキと共に余韻のある夕食でした。カンパイ。

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